良く話す会社の同期に「風俗」で仕事していることを暴露された！「名誉棄損」で訴えることは出来るのか？

「風俗で副業していることを会社の同期に暴露された。会社に行くことが出来ない！」このような相談が弁護士相談所に寄せられた。

相談してきた人は副業を禁止されている会社に勤めているが、ある期間、隠れて風俗で仕事していたそうだ。ですが最近、会社の同期が数人の社員に話したそうだ。

その人を問い詰めると「話した人を教え、何回も謝罪した」そうだ。

だが相談者の怒りは収まらず、「風俗で仕事していたと会社の人間にばれるのは嫌だ」「会社に行きたくない」という気持ちを話している。

相談してきた人は「早いうちに退職することを検討している」らしいが、同期の何気ない行動でピンチになったので「名誉棄損で訴えることは出来ないのだろうか」と聞いてきた。このような場合でも名誉棄損で訴えることは出来るのだろうか。秋山弁護士に聞いた。

知らせた人間が数人でも「名誉棄損」で訴えられるか？

「名誉棄損は、ある人の信頼を下げる事実を数多く人間にした時に成立する」

秋山さんはこのように話した。このような事例だと「数人の社員」に風俗で仕事していたことを暴露されたそうなのだが、名誉棄損になるのだろうか？

「数人に話したとしても、その数人から誰かに広がる可能性があれば、「不特定多数の人に」話したことと同じとみなされる」

ただ、話したことが

①    公共の利害に関すること

②    公共目的のモノ

③    真実、あるいは真実と思ったことに相当の理由がある

の要因に当てはまる際には、違法性はないとみなされる、またはわざとしたものではないとみなされ、不法ではないとみなされる」

話す人が「上司」ならいいのか？

相談してきた人が風俗で仕事していたのは本当らしいが、

「はい。今回の場合は、公表したことは本当なので③には当てはまっているが、１と２は当てはまっていない。ただ、相談者が務める会社は、副業が認められていない。仮に職場の人が「禁止されている副業をしている人がいる」ことを伝えるのに、会社の上司に話したなら、社員としての最低限の義務を果たした。

名誉棄損にならないのか？

「今回の場合は、会社の上司ではなく、同期に話したことが問題だ。同期に会話の中で、ほかの人の名誉を傷つける話をしたなら、①、②の要因は満たさないとみなされる場合があるといえる。そうした場合、名誉棄損になるかもしれない」

秋山弁護士はこのように話していた。

人は他人のことだとついつい口が軽くなります。本当に秘密にしたいことは誰にも言わないのが１番です