「週刊東洋経済」で「あなたを待つ貧乏の罠」という記事を書いています。「病気、親の面倒、リストラ、転職・・・安定した暮らしは、ある一つの要因で簡単に消えてしまいます。誰にでも起こり得る貧困の現状」を取り上げたものです。

フランスの経済学者、トマ・ピケティが書いたとされる「２１世紀の資本」。この本が爆発的に売れたことが要因となり、全世界で格差への関心が集まっています。今の日本で問題とされている格差とは、一般の人たちが貧しくなることが原因で起こっています。

高齢者はどうすることも出来なくなり生活が出来なくなり、派遣社員等が増えることで若い人たちの間にも貧しい暮らしが広がっているのです。

ですが、最後の砦の生活保護も、今年から受給額は下がり、家賃補助と光熱費等に当てられる金額も減少していて、格差が広がっています。

さらに４月は、貧しい暮らしをしている人を支援する「生活困窮者自立支援法」が施行し、生活保護を申請する前に働き口を探してくれる環境が全国に置かれるなど「貧困」に関心が集まっているのです。

女性の貧困

加えて、出版会だと「夜の仕事をしても貧しい人がいる」「風俗間でも格差が発生している」と書いた「最貧困女子」が爆発的に売れ話題を集めています。メディアも「貧困」に関して特集を組む時なのです。

「東洋経済」でも、「前アダルトビデオ女優記者が取材する、女の人の貧困の現状」という記事で、大学を出た後にアダルトビデオに出演してから、日本経済新聞社に入社したという変わった経歴を持っている鈴木涼美のレポートを載せています。

３０歳のＡさんは、一人の子供と２人で暮らしているシングルマザーです。去年の７月から生活保護を受けています。

Ａさんの初めての風俗は７年前、日給で５万円前後の給料をもらうソープから始まりました。

その時は５０万円以上の収入が月にあったのですが、付き合い始めた男の人と一緒に暮らし始めました。結婚した後は旦那にばれないように、イメクラに週に数回働くようになりました。妊婦向けの風俗店に週に数回、数時間働いても月に１００万円前後稼いでました。

ですが、旦那のＤＶがひどくなり離婚を決め、母子支援センターに相談に来ました。

「ヘルスと、一回だけ出演したＡＶの報酬だけで何とか生活していましたが、体調が良くなく働けない日が増加していきました。安定した収入が取れるソープへ移籍し、色々なことを指定ましたが、日に日に悪化する体や子供の世話をしつつ仕事をすることが無理だと思い、生活保護を申請しました。今も受給しています」

風俗の中で、安定した給料と満足して仕事できる環境が手に入るのは、最低限お店に出れるだけの健康状態を保つ必要が必要です。さらに見た目や明るさなど「夜の仕事にはその世界に必要なスキルがある」のです。

鈴木も「その人たちの一人」で「稼ぐ方法としての体」があった時には「睡眠時間はたくさんあったが、常に眠くて体調不良だった」そうです。

「私も、２０代のことは夜の世界で自分はきれいだということを少し認識していました。ですが年を取るにつれて仕事条件の悪化や、この仕事は一笑することは出来ないということに気が付きたかったのです。２６歳直前で昼の仕事に移ったのは、そのような現状に気づいていたためです」

ですが、大部分の風俗嬢はそのような貧しい現状から脱出できていないのです。

風俗間でも格差

「月刊宝島」で、「最新　日本の貧困「悲惨な現状」という記事を書いていて、「最貧困女子」を書いた鈴木大介がセックスワークスの格差をこう話しています。

「自分の体を使って仕事する女の人に「普通の仕事があるでしょ」という人がいますが、アダルトビデオやヘルスである程度の給料をもらっている人は、現在は「勝ち組」の職業だとわかっていないんです。少し前ならお金に困らなかった人たちが「普通の仕事」に出てきて、そこで仕事できなかった「普通の仕事」をした人がセックスワークスをしました。無論、これまでのＡＶ嬢、風俗嬢は一番下の仕事だということを理解しないといけないです。そのようにして最も弱い人たちに、しわ寄せが行っています。」

風俗の格差、最も貧しい層になると「本当に死に関わる問題です。ものすごく切羽詰った状況になっています」と現状を話しています。

「２１世紀の資本」というより「２１世紀の稼ぐ資本」も前途多難になっているのです。

風俗嬢やAV女優でも今は貧困が問題になっています。体を売れば稼げるわけではありません